衣本研究室 – 国立大学法人大分大学 理工学部 共創理工学科 応用化学コース

ABOUT 衣本研究室について

SDGsとイノベーションに繋がる技術開発を目指して、水の成分である水素や空気に含まれる酸素を使って発電する燃料電池や二次電池、水素を水から取り出すための電極、ならびに、自然・生活環境の改善に向けて竹を素材として利活用するための研究開発を進めています。

RESEARCH THEME 研究テーマ

(1) 固体高分子形燃料電池の材料研究
水素と酸素を使って二酸化炭素は出さずに発電する“固体高分子形燃料電池(PEFC)”の研究に取り組んでいます。PEFCの電極には、白金ナノ粒子を炭素粉末に載せた触媒が使われていて、(1)その表面を化学的に修飾して高性能化を図る、(2)独自の電子顕微鏡観察技術による劣化メカニズムの定量的解明、そして(3)白金を全く使わない触媒の開発に取り組んでいます。また、充電もできる新しいタイプの燃料電池の開発にチャレンジしています。
2007年度~2008年度 独立行政法人・新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)/固体高分子形燃料電池実用化戦略的技術開発/次世代技術開発,2008年度~2009年度 独立行政法人・新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)/固体高分子形燃料電池実用化戦略的技術開発/要素技術開発/低白金化技術,2016年度~2018年度 科学研究費補助金,基盤研究(C),2019年度~ 科学研究費補助金,基盤研究(C),2021年度~ 国立研究開発法人・新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)/燃料電池等利用の飛躍的拡大に向けた共通課題解決型産学官連携研究開発事業/水素利用等高度化先端技術開発,2023年度~ 科学研究費補助金,基盤研究(C),国立研究開発法人・科学技術振興機構(JST)/革新的GX技術創出事業(GteX)/水素分野/革新的要素技術開発
(2) 竹を原料とするセルロース素材とセルロースナノファイバーの製造技術と用途開発
竹の異常繁茂は、生物多様性を低下させ、人間を生活しづらくさせる社会的な課題(竹害)になっています。やっかいな竹をこれからの素材として活用し、社会を豊かにするとともに竹害を減らして環境を守ることを目指して、独自で竹繊維とセルロースナノファイバー(CELEENA®)を作る技術を開発しました。昨年9月にこの研究成果の社会実装のために、株式会社おおいたCELEENAを起業しました。また、この素材を宇宙で活用する研究開発に国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で進めています。
2012年度~2014年度 環境省・環境研究総合推進費・補助金,2017年度 国立研究開発法人・科学技術振興機構(JST)/大学発新産業創出プログラム・社会還元加速プログラム(SCORE),2018年度~2021年度 国立研究開発法人・科学技術振興機構(JST)/大学発新産業創出プログラム(START),2021年度 国立研究開発法人・科学技術振興機構(JST)/研究成果展開事業・A-STEPトライアウトタイプ
(3) 水素製造用非貴金属電極
水の電気分解から水素を作るための電極触媒として、活性炭に、酸素、窒素とチタンを組み合わせた新しい化合物を世界で初めて開発しました。ゼロエミッション、クリーン、エコな水素社会の実現に繋げるため、高性能化の研究を進めています。
2016年度 国立研究開発法人・科学技術振興機構(JST)/マッチングプランナープログラム/企業ニース解決試験,2016年度~2018年度 科学研究費補助金,基盤研究(C),2019年度~ 科学研究費補助金,基盤研究(C),2023年度~ 科学研究費補助金,基盤研究(C),
(4) 空気二次電池の電極
空気中の酸素を利用して放電と充電する空気二次電池はクリーンなエネルギーデバイスでありますが、その実用化には反応を促進させるための優秀な触媒(電極触媒)が必要です。アルカリ性水溶液を使用する空気電二次電池の正極触媒の候補として、パイロクロア型金属酸化物に着目し、高性能化のための研究開発を進めています。
2012年度~2019年度 国立研究開発法人・科学技術振興機構(JST)/先端的低炭素化技術開発(ALCA),2019~2022年度 平成31年度CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業

CHALLENGE CELEENA / 大分大学のチャレンジ

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