研究室一覧
石川・信岡研究室
石川 教授/信岡 准教授
イオン液体と生物有機化学、機能性ナノ炭素材料の合成、
地域一次農産物に含まれる生理活性物質の探索と合成
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融点が室温以下にある塩を「イオン液体」と呼びます。燃えませんし、蒸発しにくく、カーボンナノチューブなど炭素材料とも親和性が高く、生体分子も取込むことができ、電気も流れます。このような特徴から、水や油に変わるグリーンな機能性の媒体として注目されています。当研究室では、新しいイオン液体の開発、イオン液体中でしかできないセルロースの燃料化などの反応、イオン液体中の生体分子の働き、環境にやさしい電池用電解質の開発を行っています。また、炭素材料の表面改質を展開しています。 大分県の柚子の皮にはぜん息、アトピー性皮膚炎などⅠ型アレルギーの〈マウス〉のIgE値を減少させ、症状を緩和する有機分子が含まれていることを見いだしました。これら柚子果皮を大量に食べることは困難ですが、地域の資源である柚子の皮を高濃度に溶かした、おいしい飲料やパンなどの機能性食品を、地域の産業・経済と連携して開発、商品化しています。
井上研究室
井上 教授/江藤講師/鈴木助教
ガスセンサー、レーザー化学、分子計測
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本研究室ではエネルギー・環境問題を解決する固体触媒による物質変換プロセスの研究開発を行なっています。これまでに、室温でプロパンガスや都市ガスと空気を流すだけで、燃料電池に供給する水素を瞬時に生成可能なプロセスを世界で初めて見出しました。また、シェールガス革命により豊富な資源となった天然ガスを化学的に有用な物質に変換するための長寿命触媒の開発に成功し、実用化を目指しています。さらに、次世代のエネルギーキャリアであるアンモニアを簡便かつ効率的に分解し水素を製造するプロセスの開発や、自動車排ガスを浄化するための触媒開発などに取り組んでいます。
氏家・守山研究室
氏家 教授/守山 准教授/吉見 助教/岩見 技術専門職員/那谷 教務員
高分子材料、液晶材料、ゲル、光機能性材料
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やわらかい凝集物質である高分子、液晶やゲルなどの新規物質を合成しています。また、これらの物質が、どのような構造を作り出すのか、構造と発現する特性との関係はどうなっているのかなどを調べています。応用では、ゲル化剤、イオン伝導性材料および高分子ナノコンポジットの開発、液晶材料の高機能化、生分解性高分子材料などについて研究を行っています。また、フォトクロミズムなどを示す光反応性分子とゲルを組み合わせた光機能性材料の開発も行っています。
大賀・原田研究室
大賀 教授/原田 准教授/平尾 助教/高橋 技術専門職員
物理有機化学、高圧化学、有機合成化学
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生体内では多段階で巧妙かつ精緻な有機反応過程を経て恒常的な生命維持がなされています。この複雑な現象を解明するための基礎となる有機反応メカニズムに関する研究と、有機化合物が反応するときには、どのような分子構造の変化がどのような順番でおこるのか、その際分子を取り巻く環境、特に溶媒分子はどのように関わっているのかを調べています。また、加齢や酸化ストレス由来疾患の病態解明や診断を目指した、生体内のフリーラジカルのESRイメージングに関する研究も行っています。
衣本研究室
衣本准教授
電池・燃料電池、電気分解、水素製造、竹、セルロースナノファイバー、ベンチャー
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電気化学と無機材料化学を専門とし、SDGsとイノベーションに繋がる技術開発を目指して4つの研究テーマに取り組んでいます。
- (1)固体高分子形燃料電池用の電極触媒に関する研究
- (2)空気二次電池用空気極の開発
- (3)水素製造用非貴金属電極触媒の開発
- (4)竹を原料とする竹綿と超高純度セルロースナノファイバーの製造「大分大学プロセス」とベンチャー起業
豊田研究室
豊田 教授/新井 技術専門職員
膨張化炭素繊維、グラフェン、空気二次電池、水素吸蔵材料、燃料電池、電極材料・触媒
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エネルギーを創り・変換し、貯蔵して利用する次世代エネルギー社会の実現には、化学的アプローチによるブレークスルーが必要です。当研究室では、エネルギー変換として燃料電池材料の開発を、エネルギー貯蔵としてグラフェンや微小化炭素繊維などナノ炭素材料の高容量空気電池や電気化学キャパシタへの適用、新規水素吸蔵材料や水素-空気二次電池用正極の開発などを産学官連携も含めて進めています。その他にも、ナノ材料合成による機能性材料の創製、環境保全、生体医療材料の開発なども行っています。
檜垣研究室
檜垣 准教授
ソフトマテリアル工学、ソフト界面化学
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細胞膜は脂質や膜タンパク質から構成される極めて流動性の高い二分子膜であり、細胞質と細胞外基質の空間的境界を定義するだけでなく、多くの重要な生化学プロセスに関与して生命の動的秩序を保っています。高分子量鎖状分子の構造と分子間相互作用を理解し、分子を適切に設計することで、細胞膜を模倣した様々な動的機能を組み込んだソフト界面を生み出すことが可能です。QOLや環境問題への貢献につながる医用材料や環境対応材料の、ソフト界面設計による高性能化を目指して研究をしています。
平田研究室
平田 准教授
化学工学、環境工学、生物工学、食品工学、廃棄物再資源化、環境浄化、発酵プロセス
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研究ですばらしい技術が開発されたとしても、それを実用化して実際に役立てるためにはさまざまな課題が残されています。特に環境やエネルギー問題について、実験と理論の双方からアプローチし、安全・安心で効率的なシステムを実用化することを目指しています。物理的・化学的・生化学的手法のすべてを駆使し、食品廃棄物の再資源化などのゼロエミッション化、微生物を利用した水の浄化などの環境分野の他に、大分県産品を活用した新規食品の開発研究などにも取り組んでいます。
近藤研究室
近藤 准教授
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持続可能な社会実現への取り組みは、現在の我々のみならず将来の世代にとっても極めて重要となっています。そのための1つの取り組みとして、限りある資源を効率的に入手・合成し、有害な物質を除去・分解することなどが重要となります。我々の研究室では、ナノサイズの空間を有する多孔質材料を活用することで、持続可能な社会実現に貢献する研究を展開しています。材料合成から構造・物性の評価を通して、ナノ空間を有する多孔質材料科学の領域展開を目指しています。